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「ペルソナント」に見る古味直志先生の(ダブルアーツ時代から直ってない)ストーリーの問題

今更ですが、ジャンプSQに掲載された古味直志先生の読切「ペルソナント」読みました。
古味先生といえば、比較的多くの人に惜しまれた打ち切り作品「ダブルアーツ」が記憶に新しいところです。
という私かも惜しみました。
ただ、ダブルアーツには連載続けるにはまずい点はちらほら見受けられたのも事実。
その上でこの作品読んでダブルアーツ思い返してみると「ああ、こりゃ連載続けててもよくはならなかっただろうな」という感じです。


ジャンルとしてはいわゆる「ディストピア」もの(社会全体としては平和や平等が実現されたいわゆるユートピアだが、住人は徹底的に管理、特に社会体制への批判に対して厳しい封じ込めが行われ、自由が存在しない社会)に近い設定です。
「近い設定」としたのは、テーマがぼやけてしまっているからです。
この状況をもたらしている「ペルソナント」が題にもなっている通り、この作品の肝となっている設定なんですが、後半そのペルソナント自体は大した意味を持たなくなっていきます。
前半の設定では、ペルソナントは人類の体を覆うことで差別も貧困も戦争もない平和な世界をもたらしている恩恵がありますが、デメリットとして個人の自由はなくなる。主人公のダモレは、ペルソナントのメリットよりも自由を求める人間。
つまりこの話の構造は「ペルソナントによる恩恵を欲する人間」vs「ペルソナントからの解放を求めるダモレ」となっているのです。ダモレの敵は、人間を型にはめることで生き方から自由を奪うペルソナントと、その着用を強制する社会、その体制を支持する市民そのものです。
が、その構造が明かされた直後にルイ局長と特殊なペルソナント“アルソナ”の登場により、事態は……というかストーリーそのものが一変します。
「ペルソナントを使い、世界中の人間を操ろうとする特定個人」という敵が現れ、ダモレの敵の位置にすっぽりと入ってしまっているのです。
さらにはその個人が「アルソナさえあれば世界を管理できる」とか言ってしまうからテーマがすり替わってしまいました。
世界の管理は、アルソナなんてなくともペルソナントだけで十分達成されています。まあダモレみたいなのはいますが、アルソナがあってもアルソナの使い手の預かり知らないところで反抗というものは起こりうるのです。ルイ局長の台詞を見る限り、アルソナは勝手にペルソナントを制御するようなものではなく装着者=使用者を必要とするするものです。完璧な管理ができると息巻いていますが、それでも管理しなければいけないのです。装着者がしくじれば管理は完璧たりえません。
というわけで、アルソナは実はペルソナントの管理をしやすくなるツールに過ぎず、本来の作品のテーマであるペルソナントの恩恵と自由にはさほどの影響を与えないのです。
なのに、アルソナを前面に出しすぎて、ペルソナントの問題と混同しがちになってしまった。ペルソナントそのものが、特定個人の人間の恣意に操られるためにあるかのように見えてしまうのです(設定上はそうらしいけど)しかしそうなると、「みんなが便利に使っているものが実は世界征服の要だったんだよ!」というストーリーになってしまうんですよね。ペルソナントの恐怖は特定個人の恣意に操られる恐怖とはまた別なのに。

それともう一つ。人間が簡単に考え方を変えすぎ。
オリィは一部始終を間近で見てますからダモレに感化されてもいいんです。
問題はラストシーンのモブ。あっさりと考え方変わりすぎです。それも「現代の人間に近い思考様式」に。ダモレいわく「全ては100年前に逆戻り」だそうですが、今生きている彼らが一瞬前までペルソナントをつけて生きて、その恩恵を受けて生きていた事実までもがなくなったわけではありません。なのに、考え方が急激に100年前の人間のものに置き換わってしまっています。それが非常にウソくさい。それこそ「ペルソナントのない社会を肯定する人間」を演じさせられているように。

テーマのブレと、登場人物の思考の不自然さ。これはダブルアーツでも気になっていたことですが、どうやら偶発的な失敗ではなく起こるべくして起こったことみたいです。
古味直志先生のもつ問題点でしょうね。登場人物にあまり冷静な思考を求められない作品(例:読切「ウィリアムス」)では目立たない問題ですが、世界を救ったり変革するような話だとどうしても表面化しちゃいますね。
古味先生の内心は分かりませんが、「読者の視点を意識する(特に自身と考え方の違う人間)」もしくは「作品のジャンルや展開、舞台に合わせて展開にどこまでの冗長性を持たせるか調整する」ことができていないんだと思います。
どっちにしどうすれば直るのか分かりにくい問題ですが……いっそラブコメとかみたいに登場人物に必ずしも賢明さを要求されないジャンルを描くのもアリかもしれません。


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コメント

色々ツッコミ所満載なのですが、読み切りはページ数との闘いなのに、そんな無茶な要求されても。あなたの冗長な文を200字でまとめろと言っているのと同じですよ。
というか、ページ数の割合から言って、ペルソナントを人々が求めているという描写は、敢えて少なくしているのだから、問題だって言ってる方(アルソナのやりとり)をメインだと読み取ると思いますよ、普通。
散々能書き垂れてますけど、早い話、あなたの読み間違えじゃないでしょうか?

  • 2008/12/05(金) 02:12:03 |
  • URL |
  •   #-
  • [ 編集 ]

読み間違えすぎ!
ダモレのてきは、ペルソナントであり人々ではない!
そういうこという君は自由のない生活をしているひとをみて、そういう風にされているそいつ等が悪いと思うわけですね?

  • 2009/08/27(木) 21:29:14 |
  • URL |
  • 七氏 #-
  • [ 編集 ]

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