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テニスの王子様をギャグ漫画として考察してみる

今週はジャンプもサンデーもないので、ちょっとテニス王子様についての長めの記事を。
テニスの王子様が各所でギャグ漫画として扱われていることについてです。
まず、前提として、ジャンプの公式サイトや本誌での扱いを見る限りは、ジャンプサイドではギャグマンガとは扱っていません。
テニスの王子様のコーナーです。
ジャガーのコーナーボーボボのコーナーと比べれば、雰囲気が違うのは一目で分かると思います。
ギャグマンガは今のところ長い期間の連載をしているものが少ないので、メゾン・ド・ペンギンや、太臓もて王サーガ、バレーボール使い郷田豪といった新興のギャグマンガのコーナーが工事中なので、サンプルが少なく根拠としては弱いですが。

しかし漫画の評価を決めるのは装丁(公式サイトや予告ページも装丁に含む)ではなく内容です。
装丁の第一印象を覆してギャグ漫画と呼ばれる以上、テニスの王子様には読んでいて笑える要素が強い、と判断されていることになります(読んでいて笑いがこみ上げてきた、もしくは吹き出したことが多いのなら、ギャグ漫画と判断していいと思います)
ギャグ漫画としての面白さというのを客観的に判定するのは難しいですが、ギャグ漫画によく見られる展開の一つとして、「話の筋が曲がる、もしくは折れる」というものがあります。
テニスの王子様の話の筋は、言うまでもなくテニス部の活動です。
実はこの筋は、ある種番外編ともいえるボウリングの王子様やビーチバレー好きの老人達、焼肉を被った少年達焼肉の王子様などを除くと、ほとんど折れも曲がりもしません。
嫁探しに来たもて王やマルハーゲ帝国と戦うボーボボも、ギャグ漫画ながら大きな筋が存在し、あまり折れない漫画です。もて王のギャグは太臓の嫁探し、ボーボボの戦闘においての一話~数話の中での話の筋が折れまくり曲がりまくりで、そこがギャグになるのです。
テニスの王子様も同様だと考えれば、テニスのプレーにおいての諸動作・諸演出がギャグになっていることになります。
テニスの試合というものは現実にあるものですが、その「現実のテニスの知識を前提に読者が常識をもとに考える起こりうること」の埒外の現象が起こるからギャグだと思われるのです。

なお、現実離れしているのにギャグだと思われないスポーツ漫画「アイシールド21」があります。スポーツもやらないセナに光速の足が備わっていることはある種非現実ですが、第一話の時点からそれを示すことにより、読者が「この漫画で起こりうること」を想定するレベルの調整を行っています。
ところが、テニスの王子様の初期では、リョーマのレベルはツイストサーブ、左利きだけど右手で並みの相手なら圧勝と、アメリカ帰りの実力者ならやれても非現実とまでは言い切れないレベルでした。(ツイストサーブは現実のものより軌道が極端ですが)
つまり、読者がこの漫画に対して想定する現実/非現実の割合は、おそらくアイシールド21の初期よりも現実分が多めになっていたはずです。
これには、絵柄の等身や(主に顔の)タッチ、デフォルメの具合も関わってきていると思われます。
テニプリは指が増えたり減ったり関節や体各部の太さ細さなどおかしい点がいくつもありますが、絵柄自体のデフォルメ度は低いので読者がリアル度高めと思ってしまう一因を作っているのです。
もちろん、絵のおかしさ自体もツッコミどころになります。

それがいつの間にか分身するわ、プレーヤーの周囲に空気が渦を巻くわ、ダブルスが変装して入れ替わるわ、オーラ出すわ、打球で人間を観客席まで吹っ飛ばすわ……
もう「テニス以前に人間として物理的に不可能」な領域まで行っちゃってます。アイシールドもデビルバックファイアが無理と言われていますが、これは主に技術的な問題です。
「後ろを見ないで背後から飛んでくるボールをジャンピングキャッチ」
「分身して一人でダブルスをする」
どちらかを数ヶ月~数年の練習でできるようにならなければいけないなら、私は迷わず前者の練習に励みます。
ここまでトンデモない事をやっておきながら、作中では普通に凄いプレイとしてしか認識されないのがテニスの王子様の怖いところでしょう。
そうそう、分身といえば、初めて菊丸が菊丸印のステップを披露した際には、あくまで高速で往復することによる残像って扱いだったんですよ。時々三人に見えてたし。
それがいつの間にか立海戦では「あえて分身させる」とかいう扱いになっちゃってる(菊丸印のステップの高速移動で広範囲をカバーさせる、ではない)し、全国大会では一人がサーブ打つ体勢、もう一人がその前で構えているとか、片方がボールに追いつけずにコケたのにもう一人がボールを追うなんて残像では成り立たないことをやってます。
不二の消えるサーブや千歳の神隠しも、あくまで急激に曲がったり跳ねることで視界から出て行ってしまう技なのに第三者から見ても消えることが分かったりと、視覚的な演出が実際の設定を塗りつぶしてしまうことがあります。これも隠れたツッコミポイントでしょう。

さらにテニスの王子様は、新たに会得した技によって全く違うプレイヤーになってしまっても、周りの扱いがあまり変わらないという不気味な点を持っています。
菊丸は分身を会得してもアクロバティックプレイヤーとしてしか呼ばれない(分身にちなんだ新たな異名がついたりしない)し、試合中に一時的に失明したまま試合を続行し、なんと勝ってしまったという恐ろしいエピソードをもつ不二も、その前後で扱いは「天才」の一言のまま変化はありません。ミスフルの蛇神先輩の失明は結構引っ張ったのに。逆に引っ張らないからこそ作中の現実の基準が実際のプレイに影響されず、常に常識外れが起こっているのかもしれません。

私的結論:テニスの王子様がギャグ漫画として面白いと言われるのは
初期の描写と、等身が高めの絵によって読者がテニプリを「現実寄り」と思ってしまうにも関わらず、実際には人外、超人レベルの現実離れを起こしていること。
その現実離れを当たり前とも描写せず、また当初もっともらしい解説つきの技の性質がいつの間にか変わっている。またその異常性がキャラクターに付随する記号に反映されない故に、読者側の「テニプリ内で起こっておかしくないこと/異常なこと」の基準の再設定が行われない構造がギャグ漫画の構造に酷似していることが原因。
(もて王において太臓が失敗を真っ当に反省して嫁探しの方法に修正を加えない、ビュティはハジケリストのやることについていけずツッコミを絶やさない、ララがいくら注意されても裸でウロウロするのをやめないのと同じ原理が適用されている。技は着実にインフレしているのに)



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テーマ:テニスの王子様 - ジャンル:アニメ・コミック

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