乱文乱舞ランブル

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焼肉の王子様達の異常な情熱~または彼らは如何にして恐怖するのをやめて乾汁を飲み脱落したか

まあ、ちょっとしたssみたいなもんですが。
というかタイトル、元ネタの原型がなくなりかけますね。

※警告
このSSは「焼肉の王子様」を元とした二次創作ですが、元のキャラクターのイメージを著しく破壊している恐れがあります。
キャラクターのイメージを大事にされる方は、閲覧しないことをお勧めします。



「20皿クリアのドリンクはこれです。青酢!」
比嘉中のテーブルに置かれたグラスは、人の口に入れるものにあるまじき色彩を放っていた。
青い。およそブルーハワイやポーションのように、合成着色料でも使わねばまず出ない色。味はともかく、健康にいい成分が含まれているはずの乾ドリンクだが、ここまで毒々しい色だとそれすら疑わしい。
「お・か・わ・り!!」
しかし田仁志は平然と飲み干した。
「もろみ酢の方が酸っぱいさぁ」
他のメンバーも勝手にもう一杯飲んで味を論評している。
その比嘉中チームの盛り上がりをよそに、部長の「殺し屋」木手はある一点を凝視していた。


青春学園の不二周助である。
現在勢いのある田仁志や樺地とて、限界はある。
大食漢が息切れした後、物を言うのは頭数。
そして青学は、比嘉中以外では唯一脱落者が出ていないチームだ。
「やはり立ちふさがりますか、天才不二周助君」
不二に敗北をもたらすジンクスのあるフレーズを口ずさみながら、木手は青学の様子をうかがう。

「ぎょAAAAAA!」
その向かいでは、氷帝のジローが青酢を飲んで苦しんでいた。


六角中のテーブルでは、葵の箸が空を切った。
「ダメじゃん。俺をフリーにしちゃ」
佐伯が、葵の狙う肉をことごとく先に持っていってしまうのだ。
「サエ、何やってるんだよ?」
「ここでサエさんから肉を取り返せれば今年の夏はモテモテかも……」
「サエの箸さばきが冴える……プッ」
チームメイトも佐伯の行動の真意を図りかねている。そうこうしてるうちに、六角中も10枚分の肉を消化した(葵は殆ど食べれていないが)
数日前、ビーチバレー大会でイワシ水が猛威を振るったのが記憶に新しい六角メンバーは顔を見合わせる。
「それ、俺飲むよ」
ペナル茶のグラスに手を伸ばしたのは佐伯だった。
「俺は十分肉食ったしな。あとは頼むよ」
にこやかに手を振って佐伯はペナルティを飲み干し、舞台から去った。
「ホンマ最後まで無駄に男前やったな」
「ユウシさんとこの宍戸さんも大概ですけどね」
忍足(侑士)の実況にマイペースで肉を食べながら観戦する財前が茶々を入れる。
この瞬間、不二は走り去る佐伯を見送っていた。
大石は仕切るのに夢中で、越前と桃城が説教のターゲット。
そして手塚と乾は奥の座席。周囲の様子は見にくい位置にいる。
この隙を木手は見逃さなかった。
縮地法を駆使して青学テーブルそばまで忍び寄り、切り札を不二のタレに混入する。
ゴーヤの苦さとこーれーぐーすの辛さ、そしてもろみ酢の酸っぱさとさとうきびの甘みを併せ持った複雑怪奇極まる味の液体。
比嘉中の猛者でも誰一人耐え切ることができないこの液体こそが木手の切り札であり、これを調味料として用いた事が木手の「殺し屋」という異名の由来だという噂まである。
一瞬で細工を終えた木手は、即座に比嘉中の席まで戻ったが、
「随分とセコいことしてやがるな」
氷帝の席からの声に心臓を震え上がらせた。
「跡部君か。一体何の話かな?」
「何でもねーよ」
跡部は木手には興味をなくした様子で網に視線を戻した。
今回は追及されずにすんだが、次も大丈夫かどうかは分からない。
ましてや樺地に仕掛けようものなら即座に見破られるだろう。
最悪の場合、失格の処分を受けることもあり得る。
(どうやら、小細工はここまでのようですね)
悲鳴を上げて廊下を走る不二を眺めながら、木手は調味料をバッグにしまった。

「氷帝30皿クリア! 次のドリンクはイワシ水だーっ!」
跡部はグラスを手に取る様子が全くない、樺地は主戦力なので離脱させるわけにはいかない、ジローは寝ている(青酢を飲んだ際、苦しんだまま睡眠に移行したらしい)。一通り見回した後、日吉がグラスをとった。
(向日先輩も宍戸先輩も芥川も醜態を晒した! ここはオレが飲んで下克上!)
一度にイワシ水を喉に流し込む。
一秒、日吉の顔が歪む。
二秒、日吉が演舞のポーズをとる。
三秒。「下剋上等!」日吉は叫びながら外へ走り、タイヤ止めに躓き、九体目の屍となった。

「青学と四天王寺、同時に20皿クリア! 青酢どうぞ!」
不二を欠いた(不二も青酢には耐性はないが)青学は互いに顔を見合わせる。桃城と越前の目が合った。
「ところで大石副部長。焼肉にはやっぱりタレッスよね」
今まで塩で食べていた越前が唐突に主張を覆した。
「何を言っているんだお前は! 肉汁を何だと思ってるんだー!」
案の定、大石は激昂した。
「だいたいお前の焼き方はいい加減すぎる! もっとしっかり焼け! いいか、まずカルビは……」
焼肉奉行のお説教が続く。タイムロスではあるがこれも作戦の内。
「そもそもロースとホルモンを同時に焼くなんてことをしたらだな、」
長い台詞の内に、大石が唾を飲む。
「お奉行、喉枯らしちゃまずいですって、これどうぞ」
「うむ、苦しゅうない」
大石は桃城から手渡されたグラスをあおると同時に顔色を変えた。
「ぐわあーーっ!!」
無論、桃城が手渡したのは今回の課題、青酢である。
「ホンマ青学もえげつないわ……」
一部始終を呆然と見ていた忍足謙也だったが、彼にとってもこれは他人事ではない。
とりあえず網に視線を戻そうとした謙也だが、首が動かない。
背後から何物かにガッチリ押さえられている。
何事かとパニックに陥りかけた謙也だったが、
「お膳立てしておいたで金ちゃん! はよやりやー!」
「よし、いくでケンヤーっ!!」
背後から白石の声、そして前方から青酢を持った金太郎。
謙也はパニックではなく絶望に陥り、浪速のスピードスターの名に恥じない速さで肉々苑の廊下を駆け抜けて、11番目の犠牲者となった。

40皿に到達した氷帝のテーブルにはコーラが置かれた。
「コーラだぁ!?」
無論、跡部様ともあろうものがコーラなどに手を出すはずもなく、
「樺地、ジローを起こせ」「ウス」
眠っていたジローを樺地に起こさせ、その前に赤い液体の入ったグラスを置く。
「よし起きたなジロー。コイツを飲め」
寝ぼけまなこのジローは何の疑問も持たず赤い液体を口に運び……
「♪マジで人類?マジで人類?お前はKA・KA・KA 樺地~♪」
突如歌いだした挙句、赤い液体を吹き出して逃げていった。
「……何なんだよ、これは?」
「甲羅(コーラ)……その正体は5月14日発売の24号を読みや」

「青学もとうとう30皿! 次はイワシ水だー!」
手塚・乾・桃城・越前の間に緊張が走る。
「ここは後腐れなく、ジャンケンでいこう」
乾の提案に答えるものはいなかったが、全員が無言でジャンケンの準備を始める。
(手塚は初回、グー、パーがそれぞれ40%、桃はグーが60%チョキが30%、越前はチョキが50%パーとグーが各25%……最も勝てるのは、パー!)
データを駆使するが、桃城に関する予測だけが裏切られ続ける。
(まさか、桃に心を読まれている!?)
迂闊だった。桃城の洞察力が研ぎ澄まされていることは分かっていたはずだ。それでジャンケンを提案するなど馬鹿げている。
それ以降もあいこが続くが、乾の内から余裕は失われていった。

「みんな粘るっすね……あと何回あいこが続くんでしょうね」
桃城は軽口のつもりの一言が、とてつもない現象の引き金を引く。
「次の一回でいい!」
力強く宣言したのは手塚だ。
その全身から、キラキラと輝くオーラが放たれている。
「「「まさか、『才気煥発の極み』!?」」」
『無我の境地』の発展系で、頭脳を活性化させ未来をシュミレートする力を持つ究極奥義。それを今、手塚は使っていた。
「うおおおおお!!」「HAAAAAA!!」
続いて乾がデータを捨て、越前も『無我の境地』を発動する。
(きゅ、急に三人とも心が読めなく……)
動揺した桃城が出した手はグー。他の3人はパーで揃った。
「ぎえええええーーっ!!」

この数分後に30分経過の告知がなされた。
そう、13人の犠牲者を出してもなおまだ戦いは半分なのだ。

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ご清覧ありがとうございました。なお作中でジローが歌っていた歌は、「KABAJI(歌:跡部景吾)」(「破滅への輪舞曲」に収録)です。FC2 Blog Ranking

テーマ:テニスの王子様 - ジャンル:アニメ・コミック

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